呼吸器系の未来

陸を目指す爬虫類の仲間

ほんとうに、今年は世界も、日本も、そして私たちも、新型コロナウイルスで、ひどい目にあいました。しかし、地球46億年の生命の歴史の中では、新型コロナウイルスのことはほんの一瞬のできごとです。ただ一行だけ歴史の中に書き込まれるかどうかだけのことです。これからも、人類とウイルスとのめぐり合わせは、何度も何度も繰り返されることでしょう。

人類の弱点は呼吸器系であることは、ここブログでも何度も繰り返し言ってきました。それは海の生き物が鰓呼吸から、陸に上がり肺呼吸をするという大転換をするにあたって、呼吸器系の臓器はあらゆる臓器の中でも、一番最後に創られた。呼吸器系の臓器は、五千万年位いかけて急速に創られ、消化器系の胃に相当する臓器(関所)は、創られることはなかった。それは地球環境が今よりもずっとずっときれいで澄みきっていたこと。ウイルスとの出会いも今日ほどではなかったこと。だから現在の呼吸器系の仕組みで、多くの生物たちはこれで、充分であったのだ。

しかし、今では地球環境の大変化により、私たちの呼吸器系ではその変化に対応できなくなってしまった。だから、大気汚染である粉塵、病原菌、ウイルス、微生物の脅威に私たちの「肺」はもろにさらされることになり、以後もこれらに人類は苦しめられることになっていく。自己の免疫力にたよっているだけではいかにもこころもとない。しかし、消化器系においては長い長い進化の過程で腸から胃(強力な関所)が創られていった。そんな胃でも時には細菌に負けてしまうこともあるのだ。

遠い遠い未来には、人類にもいつの日か消化器系の胃に相当する臓器(フイルター)が人類進化の過程の中で、呼吸器系のどこかにきっと創られる時がくることでしょう。その前に、このままいけば人類は衰退していく運命かもしれない・・・・・・。