ホルン系ハーモニカとは

トンボ楽器の「ホルンハーモニカ」と鈴木楽器の「シングルハーモニカ」

外見のカバー・プレート板及びリードの材質等の違いにより、両社製品の音色に若干の違いがあります。
また、両社製品の外形の構造の違いにより、持ち方もやや異なります。
ホルン系ハーモニカには、今のところ鈴木は木製、トンボは木製と樹脂製があり、両社製品ともハーモニカの長さは約33㎝.ほどあり・重さは約850gほどあります。

ホルン系ハーモニカの特色

イ、誰にも抵抗感なく受け入れられるやわらかくて、美しい音色です。
ロ、音量はハーモニカ界ではピカイチです。これを活かさない手はないのですネ。
ハ、長くて重量感があり、吹音(吹奏)ばかりのハーモニカです。この「長い」ということと「吹音」ばかりということが、私たちに、このハーモニカの難しさを感じさせています。
そして、このことがホルン系ハーモニカ吹奏のための克服しなければならない課題ともなります。
しかし、この課題はホルン系ハーモニカを吹奏するみなさんの努力次第で決して克服できないものではありません。

ホルン系ハーモニカの音階配列(鈴木楽器カタログより抜粋)

●ソプラノシングル

●アルトシングル

ホルン系ハーモニカの音域(トンボ楽器カタログより抜粋)

88鍵盤のピアノとのホルン系ハーモニカの音域の対比図です。

ホルン系ハーモニカの持ち方

顔・両肩・両腕・両手より力みを抜いて、体全体をリラックスしてください。
ホルン系ハーモニカの持ち方は、このハーモニカの外形・構造、音色の出し方(横の動きと縦の回転の動き)によって、ほぼ決められます。
したがって、ホルン系ハーモニカの持ち方をあやまりますと将来発音に苦労しかねません。
ホルン系ハーモニカの持ち方は、横の動きの左右と・縦の回転(派生音)の動きがスムーズにできるように軽く持ちましょう。

ホルン系ハーモニカの吹き方(唇の形=アンブッシャ)

ホルン系ハーモニカではカバーを取り外して、リードがどのようにプレート板に取付けられているのか、まず頭に入れましょう。
鈴木とトンボでは、リードの取り付け方が、低音部で大きく異なっています。
トンボのホルンハーモニカと鈴木のシングルハーモニカとでは、口当たりに若干の違いがありますが、唇は凡そローソクを一瞬で消すような「ふ」 の発音形にし、ハーモニカの吹き口に息漏れしない程度に下唇をしっかりあててください。
その場合、唇の息吹のでる吹き口(アパチュア)はできるだけ小さくて、丸いほうが望ましいです。

ホルン系ハーモニカの練習と姿勢

座って練習する場合は、楽譜等を書見台または譜面台等にのせて練習します。
たんに机上に譜面等をおいて練習しないでください。首がうなだれて、うつむいた姿勢で練習していますとハーモニカのリードに唾液等が入り、そのうち唾液等でつまって発音しないことにもなります。
立って練習する場合でも、できればまっすぐ前方を向いて、背筋を伸ばした姿勢で練習してください。ソロ演奏する場合の舞台の下地にもなります。このほうが見た目も断然美しいからです。

ホルン系ハーモニカの課題と呼吸法

ホルン系ハーモニカの特色は、(長)くて、(吹音)ばかりのハーモニカと言いましたが、それがそのまま、このハーモニカの課題でもあります。
長いということは、音をはずす確率も高くなります。音をはずすということは、音楽性を失うということですから、奏者にとってはもっとも注意し、避けなければならないことです。これがホルン系ハーモニカの「跳躍の課題」です。
ハーモニカ界では、あまり「呼吸」のことはやかましく語られていませんが、こと「吹音」ばかりのホルン系ハーモニカにとっては、「呼吸」のことは、避けて通れません。しかし、「吹音」ばかりということはかならずしも不利とはいえません。
息の利用効率(息がどれだけ音のエネルギ-に変わるか)は、「息漏れ」がない限り、このホルン系ハーモニカは大変高いのです。
演奏にあたっては、曲の適当なところで息継ぎをせず、原則として規則的(願わくば、1小節4拍で4小節にブレス1回等)なブレスを心掛けることが大切です。
ホルン系ハーモニカの演奏の良し悪しは、最後は奏者の「呼吸」できまるといってもいいくらいです。

ご興味ありましたら、ホルン系ハーモニカサークルや講習会、演奏会などにぜひお越しください。