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牡のいのちは儚い

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私の家の前には、家庭内ごみの集積所がある。みていると捨てに来ている人は、大抵は家のご主人か子供たちである。朝の早いうちは、奥さん方はすっぴんなので、ご主人等にごみをすてさせるのでる。

ところが高齢化社会になるにつれ、ごみ捨てを奥さんがするようになってきた。そう、どのうちも、高齢のご主人である男性があちらこちらと亡くなっていくのである。私の家のまわりも、ほとんど奥さんばかりになってきた。女性は強いなぁ・・・・・・・。反対にどうしてこうも男は儚いのであろうか。我が家もごみ捨ては私の役目です。このごろは危機感を覚えますね。

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どうもこれは人間に限らず、いきものの本質であるようです。極端に言ってしまえは、多くの種では、雌がいなくなればその種は絶滅してしまうが、牡は受精を果たせば用はなくなる。それでその種は延々と保たれてゆくのだ。雌はそこそこいなければならないが、牡はちょいといればいいのだ。牡は長生きすることもないようにつくられている。これはどうも遺伝子に組み込まれているようで、どうしようもない自然の仕組みのようです。ならば牡達はあの夏のセミのように短い命を精一杯生きようではないか。

そういえば、新型コロナウイルスの感染率も死亡率も俄然、男性のが多いようです。どこまでも牡の命は儚い存在のようです。

 

呼吸のリズム

私たちの普段の生活では、一分間で15回前後の呼吸をしています。凡そ4秒に一回の呼吸をしていることになる。この呼吸のリズムはどうして生まれたのであろうか。

地球史における古生代の中頃(4億年前)魚類のいくつかが、長い長い海の生活から陸をめざすことになった。しかし、それには鰓呼吸から肺呼吸への革命的大展開を必要とした。そして、これには凡そ5000万年の進化の時間を要した。

彼らが陸に上がるためには肺の成立と陸上の歩行に耐え得る四肢が必要であった。彼らは何千万年も浪打際にたたずみ、波をかぶりながら陸を目指した。ここで、彼らは、海の波の寄せてはひくあのリズムに合わせて、吸っては吐いての肺呼吸のリズムを会得していった。(人間生命の誕生 三木成夫著)なるほど、私たちの呼吸のリズムの基本は、海の波の寄せては引いてのあのリズムだったのだ。この悠久の呼吸のリズムを、楽器演奏というリズムに編集を加えようとしているのが私たちなのである。思うように簡単に演奏ができない訳である。

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